東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

最明寺殿教訓百首 - 翻刻

最明寺殿教訓百首 - ページ 24

ページ: 24

翻刻

【右丁】 まよひぬれ   心の雲の  はれぬれ      ば  智恵(ちゑ)も   情(なさけ)が    有明(ありあけ)の月 心の雲とは私欲(しよく)の事也人の心は本来(ほんらい)明らか成月のごとく照(てら)さゞる所なし然れ共 人欲(しんよく)雲さし出れは 義理の良智(つけくち)くらく無理 非道(ひどう)をなせりされば古書にも雲はれて後の光と思ふなよもとより雲 に有明の月と唯(たゞ)つとめて人欲(しんよく)の迷雲(めいうん)をはらひ義理の良智をひらけば慈悲(じひ)円満(ゑんまん)の月 明(あき)らかなりとぞ 【左丁】 広(ひろ)く世を   めぐむ心を  さき   として よろづ  ついえを   いとふべきなり 国天下をしろしめす人は国中は申に及ばず■ 境(けう)の外野の末山の奥(おく)までも万民其たのしみをたのみ 其利を利として悖迷(はいぎやく)争奪(さうたう)のおこらぬやうに御心ざし背て出事おごりをやめ倹約(けんやく)を守り給ふべし 万民(はんみん)を安(やす)んじすくはんと思■御志背ても驕(おこり)ほしゐまゝにしてむさと財宝(ざいほう)をつかひついやし御手 おすりきり給へば施(ほとこ)し救(すく)ふ事は■■かへつて■■を事とし民の財宝をはぎとるより外の 事なし故に民を撫育(ぶいく)せんには物毎(ものごと)費用(ひよう)をいとひはぶきおごりをやめ倹約(けんやく)を守(まも)るを本(もと)とすべきとぞ