東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

最明寺殿教訓百首 - 翻刻

最明寺殿教訓百首 - ページ 25

ページ: 25

翻刻

【右丁】 上(かみ)がうへ  下が   した    まで  世を   わたる 身の  くるしみは  誰(たれ)か    やすかる 上(かみ)天子 諸侯(しよこう)より下(しも)臣民(しんみん)にいたるまでそれ〳〵の職分(しよくふん)ありて■しく安居する事なし然るを己(をのれ)独(ひとり)しゐて 逸楽(いつらく)を求(もと)め鵜鷹(うたか)逍遥(せうよう)を好(この)み酒宴(しゆゑん)遊覧(ゆふらん)に長し■勢(いんせい)美食(びしよく)にまよひ其 職分(しよくふん)を勤(つとむ)ることを知らす かくのごときのものは終(つゐ)に国家(こくか)をやぶり身をほろぼすもつたいなき事なり 【左丁】 徒(いたづら)に  くらす   わがみ     の  おろか     さよ 能(のう)のひとつも  たしなみは     せで 世のかしこき人を見るに若(じやく)年の時より才智(さいち)芸能(けいのう)に志ふかく日夜 怠(おこた)ることなし故に諸芸(しよけい)万 能に達(たつ)し其名をあらはし禄(ろく)を得家をおこすおろか成 ■は此年に成まで只■■昼(ひる)ねを このみあくまで食(しよく)し暖(あたゝか)成まで着(き)ていたづらに月日をくりき禄にも棒(ぼう)にもはづれ狗(いぬ)の 年よりたるごとくにして一生(いつしやう)を■す後悔(こうくわい)千万 臍(ほそ)をかめども甲斐(かい)なし