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【右丁】
暇(ひま)のなき
身なりと
物を
ならふべ
し
心に
すけば
ならぬ
ものかは
何といとまなき身成共 芸能(けいのう)をすき好(このみ)て心にかけば日をつみ月をかさねばならすといふ事有べからず古人
の詞(ことは)にも一日習一字三百六十字と一日に一字づゝ習(なら)ひ覚やとすれば一年には三百六十の文字を覚や
実を以て思へばならざるにてはあらで只なさゞるのみある歌になせば成なさねばならず成物をならずといふはなさぬゆへ也
【左丁】
明日(あす)といふ
心に物の
さへられて
けふも
むなしく
暮(くれ)はてに
けり
惣じてすべき事をは迷(すみやか)に行ふべしけふのあすのとためらふべからず今日をのべて明日といふにおこたりの心也明日は
明後日に成明後日は又明ゝ後日とのびつゐに空しく過す口惜き事也 朱文公(しゆぶんこう)の勧学(くはんがく)の文に云(いはく)勿(なかれ)
謂(いふこと)今日 不(ず)学(まなは)而(して)有(ありと)来日(らいじつ)勿謂今年不学而有来年日月 遊矣(ゆきぬ)歳(とし)不 我(われと)延(のび)嗚呼(あゝ)
老矣(おいぬ)是(これ)誰(たれが)之 過(あやまち)云ゝ(そや)まことに有がたき金言(きんけん)なりおそるべしつゝしむべし