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【右丁】
頼(たの)みぬる人
には
忠(ちう)を
いたすべし
あり
すさむ
こそ
身の
ほうけ
なれ
人につかふるには主人(しゆじん)の恩賞(をんしやう)情(なさけ)のあるなしに少もかまふべからず唯(たゞ)一向(ひたすら)に己が奉公 忠節(ちうせつ)の
儘を尽(つく)すべしかくのごとく勤(つとめ)て怠(おこた)らざればどこぞの程にて主人(しゆじん)見出さずといふ事なし無性(ぶしやう)もの
の曲(くせ)として分(ぶん)に応(おう)ぜぬ恩賞(をんしやう)を望み己があやりをばかへりみず述懐(しやつくわい)奉公するゆへ終(つゐ)に身のほうけとなれり
【左丁】
所しりおもふ
ほどなき
恩(をん)なりと
みちの
たゞ
しき
人につかへよ
たとへ小位に小 官(くはん)に居(おる)とも仁義(しんき)正(たゝ)しき家に宮(みや)仕(つかへ)すべし君子(くんし)にはつかへやすしといへり
物毎(ものごと)順路(しゆんろ)なるゆへなり其上おのが奉公ぶりによつて身を立名をあげきかへしく
繫昌(はんじやう)すべしたとへ高位(かうゐ)高 官(くはん)に居
すといふ共不義不道の家には奉公すべからず
小人にはつかへがたしといへりそのうへ必わざはひを蒙(あたふ)る論語曰不義にして富(とみ)且(かつ)貴(たつとき)は
浮(うか)へる雲のごとしと今日まで時めきさかふといふ共 積悪(ぢきあく)の余殃(よおう)終(つゐ)にのがるべからず