翻刻
【右丁】
清水の池序
樵(しやう)歌(か)牧笛(ぼくてき)は野鄙(やひ)にあらず万差(まんじや)の
俚諺(ことわざ)も心をとむればたゞ■(ち)に勧(くはん)
善(ぜん)懲悪(ちやうあく)の柯(から)を伐(き)る其(その)則(のり)みな己(おのれ)に
あり菘生(すうせい)が能畫(のうぐは)も牧童(ぼくどう)の笑(わらひ)艸(ぐさ)
の種(たね)を千歳(ざい)ののちに蒔(まき)ちらす
な■ば豈(あに)蒭樵(すうしやう)の言(こと)を準(さげ)■(すみ)侮(あなどる)の
【左丁】
條(すぢ)あらんや此(この)百首の歌(うた)教訓(けうくん)印行(いんかう)
星霜(としつき)久しき書と見し給西明寺
殿の自詠(じゑい)といひ傳(つた)ふ実(げに)歌の幹(から)も
かざりなく正直(しやうぢき)にいひあわはし給
兒女(じぢよ)の躾化(しつけ)にも卑賤(ひせん)の教戒に
も徍(ちかき)詞(ことば)すくなからず雒(らく)の西川氏
これに当流(たうりう)の絵抄(ゑせう)を裁(さい)して