東京学芸大学「学びと遊びの歴史」を翻刻!

コレクション: 学校教材発掘プロジェクト8

最明寺殿教訓百首 - 翻刻

最明寺殿教訓百首 - ページ 31

ページ: 31

翻刻

【右丁】 世の中の  はかなき   事を   見    きく     にも  はげみて    親に   ねんごろに       せよ 世のはかなき無常不定の習ひ道はなくなきは殺そふと■しことはり我も人も知ぬにはあらねど襲て物 なし父母共に存命ならば三楽の第一也此たのみ天下に王たれ共あづかり存ぜずと孟子にいへり今我 幸に此楽を保(たも)てり人の命はあすをも知(ご)せぬものなれば忽(たちまち)思ひの外成ことにいたりたのしみをむなしふ しなば悔共益有べからず只速にこゝろざしをはげまし今日ばかりつかふる日ありと思ひしるべしとぞ 【左丁】 兄弟(きやうだい)の  中も   たがひ     に  敵と    なる 欲(よく)は    はげしき  剣(つるぎ)なり     けり 兄弟は骨肉(こつにく)同胞(とうほう)天性のしたしみにして余(よ)の人倫(しんりん)の義をもち人をもつて合たるたぐひに あらねばはなるへきやうなししかるに世人兄弟の局何ぞよくとくのあらそひにて却(かへつ)て怨敵(おんてき)の 思ひをなす浅ましといふはかりなしまことに欲(よく)は利(すつと)なるつるぎなりおそるべし〳〵