翻刻
|思敷持上(ヲボシキモチアガ)り|直(スグニ)二ズンド下え|落(ヲチ)る
拍子二ミチ〳〵と家ハ|倒(タヲ)れる夫ゟ
右え左えと|震(フルフ)事中〳〵|言語(ゴンゴ)に
|述(ノベ)がたし|本家(ホンヤ)之|宜方(ヨロシキハフ)へ|休(ヤスミ)候者ハ
内乃者旅人共壱人も不残家にて
|押潰(ヲシツブ)され候由そ上類焼いたし
不残|灰(ハイ)と相成候よし五人の者ハ
物置故家も柱も細く|潰(ツブ)れ不申
其内目を|覚(サマ)し|逃(ニゲ)出し助り申候
最初乃|立派成座敷(リツパナルザシキ)え|休(ヤスミ)候へバ|押(オシ)
|潰(ツブ)され可申所大勢旅人参り候故
私共ハ|纔(ワヅカ)五人故二|鹿未(ソマツ)に|裏(ウラ)乃
|物置(モノオキ)え|寝所替致(ネドコロガヘイタ)され仕合に
助り申候又外二三人連参詣人
宿をとり休候所家|潰(ツブ)れ候ゆへに
|驚(ヲドロキ)き|丸裸体(マルハダカ)にて二人ハ|漸(ヤフ)〳〵|逃(ニゲ)
出し申候残り壱人|出損(デソコナ)ひ|少(スコ)し乃
|堺(サカイ)出口にて|足首(アシクビ)を家潰候砌鴨居
にて|足(アシ)を|挟(ハサマ)まれ出る事不叶ヤレ
頼むといふ是非助けんと手を持て|引(ヒツ)
|張(パリ)候へども|何分(ナニブン)にも足を鴨と敷居