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コレクション: STAGE8

天明奇畧 全 - 翻刻

天明奇畧 全 - ページ 16

ページ: 16

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其時餓死人男子尤多(そのときぐわしにんなんしもつともおゝ)し十人のものなれは七八 人は男|死(し)し女は三四人也|夫故(それゆへ)にや今にても津軽中(つかるぢう)に 何(いつ)れの邑(むら)にても女子|多(おゝ)く男は甚稀(はなはたまれ)也男壱人に 大概(たいがい)女六七人|余(よ)に当(あた)るべし錠(でう)か関抔(せきなど)は格別(かくべつ)に甚(はなはだ)しから さるゆへ女四人半ニ当(あたる)といへり此已後(このいご)は如斯(かくのごとく)男女の 配合不都合(はいごうふつごう)の事(こと)なれは人の生(むま)るゝこと少(すくな)なく是迄(これまで)の ことく人民(じんみん)の領内(りやうない)に満(みつ)る事|容易(よふい)には有(ある)べからす とそ又かしこにて其時飢饉(そのとききゝん)のことを餓渇負(けかちまけ)と言 ケカチといふ事|彼地(かのち)は辺土(へんど)の事(こと)なれはなまりて かくいふにや何等(なにら)の片言(かたこと)にやと思(おも)ひしに其後太平(そのごたいへい) 記(き)を読(よみ)しにケカチ〳〵と言事記(いふことしる)せり古言成(こゞなり)けるにや  昔(むかし)より飢饉(きゝん)の度〻有(たび〳〵あり)し事世〻(ことよゝ)の書(しよ)に記(しる)し  載(のせ)たれは其年代(そのねんだい)は伝(つた)はりたれ共|様子(よふす)は詳(つまひら)  かならす太平|以来慥(いらいたしか)に書(しよ)も伝(つたは)り近(ちか)く耳(みゝ)にも  とまりしを挙(あげ)て爰(こゝ)に示す 寛永(くわんへい)十九年壬午|飢饉(きゝん)さて三十三年を経(へ)て