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コレクション: STAGE8

天明奇畧 全 - 翻刻

天明奇畧 全 - ページ 28

ページ: 28

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言(い)ふべし貝原翁曰夫天(かいはらおういわくそれてん)の人を養(やしな)ひ給ふかために 生(せうず)る穀物様〻多(こくもつさま〳〵おゝ)しといへとも中(うち)に就(つい)て人間(にんげん)の生(せう) 養(やう)の備(そなへ)と見(み)ゆる物弐種有稲(ものにしゆありいね)と麦(むぎ)となり稲(いね)は 秋実(あきみ)のりて夏(なつ)の初(はじ)め迄(まで)人を養(やしの)ふ備(そなへ)なり米(こめ)の尽(つき)る 時分(じふん)には麦(むき)また一|様(よふ)にいできて夏(なつ)の初(はじ)めより中秋(ちうしう) 迄人民(までじんみん)の食(しよく)となる又|夏秋(なちあき)の間(あいだ)に粟稗黍蕎麦(あはひへきみそば) 大小豆角豆抔(だいせうづさゝげなど)の穀物有(こくもつあり)りて稲麦(いねむぎ)の不足(ふそく)の 助(たす)けとなるまた豆(まめ)とひへは牛馬(ぎうば)の喰物(しよくもつ)となる也 凡天道(およそてんとう)の人を養(やしない)ふ【左傍にヒ】給(たま)ふ備(そなへ)まことに難有事言(ありかたきこといわ) んやうなしたとへは小児(せうに)には母(はゝ)の食物乳(しよくもつちゝ)となり 是(これ)を養(やしな)ひ其母(そのはゝ)又子をはらめる時(とき)は其乳止(そのちゝとま)ツて 次(つぎ)の子の養(やしな)ひとなる或(あるい)は四足在獣(しそくあるけだもの)は翅(つばさ)なしつはさ 有(あ)る鳥類(てうるい)はみな二ツ足(あし)也|角有(つのある)ものは牙(きば)なく 牙有(きばある)は角(つの)なし《割書:人は生類(せうるい)の長(おさ)なれは智有(ちあつ)て諸用(しよやう)を|はかり両手両足(りやうてりやうあし)有て万の用を調る也》此天(このてん)の 施(ほどこ)しの委敷趣(くわしきおもむき)を監(かへりみ)て五|穀皆(こくみな)人の為に生(せう)ずる 理(り)を知(し)るべし右之内取わけ稲(いね)と麦(むぎ)とは他(た)の穀物(こくもつ)