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コレクション: STAGE8

天明奇畧 全 - 翻刻

天明奇畧 全 - ページ 35

ページ: 35

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肝(きも)を消(け)し魂飛(たましいとん)んで夢(ゆめ)の如(ごと)しされ共為方(どもせんかた)なく て日を送(おく)りしこと七日|七夜(なゝよ)に及(およ)び終(つい)には浅間(あさま)の高(こう) 山裂崩(ざんさけくず)て大水漲(たいすいあぶ)り出(いで)しかは火の石|泥(どろ)土を押流(おしなが)し 其勢(そのせい)ひの恐(おそろ)しさたとへていわん様(やふ)もなく言語(ごんご)に たへし事共(ことども)也|其上焼石散乱(そのうへやけいしさんらん)してニ三|里(り)かほどに 充|満(みて)りその石砂(しやせき)を降(ふら)せしは廿|里(り)にこへたり中にも 高(たか)サ三|間程(けんほど)に長(なが)サ拾(ぢう)三|間(げん)の大石まろび出たり かほとの大石たるをだに左程(さほど)の洪水(こうずい)たれば一|夜(や) の中に押流(おしなが)せし其|道法(みちのり)は十三|里(り)にて止(とま)りける是元(これもと) より焼石(やけいし)たれば其流(そのながれ)の水も大|熱湯(ねつとう)と沸(わき)かへり 水の中よりしてしはしは煙(けむ)り立(たち)のぼりされは此石(このいし)の上に 流(ながれ)かゝりし物(もの)は草(くさ)も木(き)も忽(たちま)ちにもへ上りこと〳〵く火 となりしを見(み)し人〻|奇異(きい)の思(おも)ひをなせり恐(おそろ)〻 などもおろか也かほとの大石をたに押流(おしなが)せし 事(こと)なれは五|間(げん)や三|間(けん)の石なとは数限(かつかぎ)りもあらは こそ押出(おしいだ)し〳〵|流(ながれ)かゝりし勢(いきお)ひ故其水筋(ゆへそのみづすじ)の村〻(むら〳〵)