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コレクション: STAGE8

天明奇畧 全 - 翻刻

天明奇畧 全 - ページ 37

ページ: 37

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日|影(かげ)のあらはれし事(こと)も有(あり)といへども晴天(せへてん)は一日も なくて陰気(いんき)がちにて有(あり)し故諸作毛成長(ゆへしよさくもせいてう)する 事能(ことあた)はず一切(いつせつ)の野菜(やさい)の類皆(るいみな)くされかけ木の 実草(みくさ)の実(み)に及(およ)ぶ迄(まて)も熟(じゆく)せざりし故此有様(ゆへこのありさま)に ては秋(あき)の収納如何(じゆのういかゝ)あらんとみな人うれひ日を送(おく)り し程(ほど)に二百十日に成(なり)しかば艮(やし)の風(かぜ)大におこりニ|夜(や)三 日|吹(ふき)とほせり其後(そのご)も雨降(あめふり)てやます抑此(そも〳〵この)しけは 六月の初(はじ)めゟ九月の末迄(すへまで)四ケ月に及ひけるこゝに 至(いた)りて諸作物(しよさくもつ)の色益(いろます〳〵)かわりて実(み)入らす先稲(まついね)の 穂(ほ)はそらたちして堂(た)れこゞみしはなく所(ところ)によりては まれ〳〵に少(すこ)し実入(みいり)しも有(あり)れとも久敷長湿(ひさしくなかしけ)にあひたれ は其寒気(そのかんき)にいたみしと見(み)へて米(こめ)となしても其性(そのせう)ぬけ 堂(た)れはくだけ安(やす)くして飯(めし)に炊(たき)ても酢味(すみ)あるいは甘味(あまあじ) 有(あつ)て常(つね)の米(こめ)の風味(ふうみ)にあらず其外(そのほか)の雑穀(ぞうこく)とて も皆是(みなこれ)に似(に)たり又|根(ね)や葉(は)を用(もちゆ)る野菜(やさい)の類(るい)も 不熟(ふじく)たりし事は相同(あいおな)じかりけれは終(つい)には秋(あき)の作毛(さくもう)