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コレクション: STAGE8

天明奇畧 全 - 翻刻

天明奇畧 全 - ページ 40

ページ: 40

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同六年|夏秋(なつあき)の霖雨大水已後諸国米穀凶作(りんうたいすいいごしよこくべいこくきよさく) にも益価高直(ます〳〵あたへこうじき)となり諸人(しよにん)大に困窮(こんきう)せり同七 年丁|未(ひつじ)の夏(なつ)は弥高直(いよ〳〵こうじき)にて御張紙(おんはりがみ)は五拾弐両(ごじゅにりやう) に出(いづ)るといへとも町相場(まちそうば)は四月の末(すへ)より五月に及(およ)ん では百俵(ひやくひやう)ニ付百七八十両より弐百両余(にひやくりやうよ)となり小売(こうり) は金壱両ニ付米壱斗(きんいちりやうにつきこめいつと)八九升|銭(せに)百文に米(こめ)三合五勺 なり故(ゆへ)に町家貧窮(まちやこんきう)の商人等妻子(あきうどとうさいし)を捨(すて)て 離散(りさん)し或(あるい)は路傍(ろぼう)に餓死(がつし)する者有(ものあつ)て世間(せけん)一|同(どう)に 穏(おたや)かならずなにとなく物騒(ものさはが)しかりしに五月十二日 大坂(おふさか)に於(おい)て町人(てうにん)の溢(あふ)れ者共数(ものともす)十人|蜂起(ほうき)し 米屋幷(こめやなら)びに富(ふう)家を打破(うちやぶ)り金銀米銭(きんぎんべいせん)を奪(うば)ひ 取(と)り白昼(はくちう)に町中(まちなか)を横行(わうぎやう)して所〻(しよ〳〵)を乱妨(らんぼう)す 依(よて)て老若男女東西(ろうにやくなんによとうざい)に逃迷(にげまよ)ひ南北(なんぼく)に奔散(ほつさん)し て京師及(けいしおよ)び近国(きんごく)大ひに騒動(そうどう)す此頃御城代阿部(このころおんじやうだいあべ) 能登守死去(のとのかみしきよ)し堀田相模守跡役(ほつたさがみのかみあとやく)の命(めい)を蒙(こうむ)るといへ共(ども) 未(いま)だ江戸に在(あつ)て大坂(おふさか)に参着(さんちやく)せず仍(よつ)て町奉行小田切(まちぶげうおたぎり)