翻刻
【右丁】
【上段】
わざとおもへるはもつてのほかの
あやまりをろかなる人はしもざま
のわさとてしらぬを手からのやうに
おもふなり日月(じつげつ)の国土(こくど)をてらした
まふもきみのたみをおさめ給ふ
もそのへだてなきとを見るべし
しもざまなる手わざをせぬはふつ
きのなすところなりしらぬは
あほうのなすところなりよく〳〵
わきまへしるべきといへり
【下段】
契情(けいせい)
こがる
ふ■【り?】
なを
夕(ゆふ)
くれ
身(み)はも
うき舟(ふね)の
さだめぬ浪(なみ)の
ちぎり
だに
尼(あま)
一すしに
五■
障(さはり)
いとひ
しや
思(おも)ひ
すてゝも
道(みち)に
いるらむ
【左丁】
【上段】
婚礼(こんれい)之(の)図式(ずしき)
女(をんな)はおやの家(いへ)をいでゝ夫(おつと)の家(いへ)を我(わか)家とす
るゆへ嫁(よめいり)といふ字(じ)は女へんに家とかくなり
よめいりしては夫(おつと)の父母(ちゝはゝ)をわがおやとし
朝夕(あさゆふ)よくつかへてよめの道(みち)をつくすべし
それ婚姻(こんいん)は 媒(なかだち)を以(もつ)て互(たがい)にむすぶこと
なり媒(なかだち)なきは禽獣(とりけだもの)に同しされば媒 相(さう)
応(をふ)のゑんをとりむすび両家(りやうけ)にてかための
さかづき事ありて扨(さて)日限(にちげん)を定(さた)め男(おとこ)の方(かた)
よりしるしをおくる是(これ)を結納(たのみ)といへりこれも
分限(ぶんげん)相応(さうをう)あり五荷(ごか)五 種(しゆ)三荷三種
それより下(しも)さまは手樽(てだる)干(ひ)肴(さかな)でも済(すむ)
事なり五荷五種のときは斗樽(とだる)五
荷《割書:但し|十ヲ》肴(さかな)五種なりあるひは鯛(たい)こん
ぶ するめ かつほぶし のし等(とう)なり是(これ)
に絹布(けんふ)をそふるなり或(あるひ)は小袖(こそで)五重(かさね)
【下段】
結納(たのみ)之(の)図(づ)