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【右丁・上段】 ()
菊(きく)
きくはもろ〳〵の花(はな)におく
れあらそはざるゆへ隠君子(いんくんし)
の姿(すがた)なりとてこゝに陶淵(とうゑん)
明(めい)はめでもてあそびたまふ
秋(あき)より冬(ふゆ)にかけて咲(さく)く花なれば
とてはなの弟(をとゝ)とも又は翁(おきな)
草(くさ)とも異名(いみやう)あり九月九日に
酒(さけ)にひたして飲(のめ)ば寿命(じゆみやう)長久(ちやうきう)なる
例(ため)しもろこしの故事(こじ)多(おゝ)し
〽行(ゆく)すゑの秋(あき)をかさねて
九重(こゝのへ)に千代(ちよ)までめぐれ
菊(きく)のさかつき
〽ちよふへき 九重(こゝのへ)に
君がかざしに さく
手折(たおり)なん 庭(にわ)の志ら菊(ぎく)
【右丁・下段・挿絵のみ】
【左丁・上段】
女中品定(ぢよちうしなさだめ)【欄外上部に横書き】
▲それ人は生としいけるものの中にたうと
きものなればよろづの智をそなへたり
さればその智をとらふるにながくもみぢ
かくもかくもあつくもうすくもあれどみな
いただきより足までその一ぶんのらちを
あけずといふこなしかかるめでたき人
の智なればおほきもすくなきもよろづ
にわたりてあしくもちゆれば悪となり
よく用ゆれば善となるたとへば雨露の
雨露なからふりて国土のわづらひと成る
【左丁・下段】
公家
月も日も影をならべて 秋の宮 くもらでのみ千代もめぐらん
武家
弓張りの月 下飛も濃 むすぶ氷に手をかけて
そらにぞうつる