翻刻
武州児玉郡榛澤群三十里余之内灰砂弐尺三尺
碓氷笹か峠ハ五尺六寸ふる人馬の通路なく上下の
大小名甲州迄まハり軽井沢火石にて三拾軒余焼ル
碓氷の社家十四軒石砂の重にてつぶれる右の村々
山々諸作迄冬のことし同四日の晩浅間吹出し火石
砂五拾丈も高くうち上ケ火石手まりをとることく煙り
の先々真石砂降る事雨のことし
一月五日の晩八ツ時分浅間山ゟ黒雲出寅卯の方へ
たなひき其内に壱条余に見へり光り物出
ぐる〳〵とまハり火花稲妻のことく其厲き事
譬んにものなし是天魔外道の業ならんと
|鉄(てツ)炮打けるに我妻上妻か嶽とおほしき所にて
|彼(か)ノ光りことの次第ニとほく成北国方へ白雲成て
消にけり同四日五日上州碓氷郡群馬郡武州