翻刻
を以御国人も皆陰陽の理有とすれは誤也此辨本居氏
詳に判られたり今更云に及はす吾正伝を以考るに
天地と相対し称しと天は素り天神の初生の地にて高天
原と申す其余仰見て笵然と量なき者は皆気の合る
にて地は其中に包れたる一物也惣て地は神の生せたまうにて
其初混々たる大気の中へ海月浮雲の如く漂へるをに神
天の浮橋より鉾を指下して探り賜ひ自凝島を得賜
より二神此島に下り賜ひ国土を生せ給ふ是正文有今
煩はしく云に及ばす殊に四国は最初に生せ給ふ但し国を
生と云事誰も怪しみ意ふ事也是は大古論に云へり斯に
畧す偖外国も潮の泡の凝て成る者なりと有故に世界
の外は挙天の気にて張結める者なり世界人間に顕れ
見ゆる気は唯雲霧海川の類にて人の朝夕接はれる
気は人は知らす音のみ聞ゆるは風なり海川に住魚は水
を知らさるが如し人は風気を吸ては吐魚は水気を吸ては
吐生を得る所なり天地の間如此是を名付て陰陽をとも
乾坤とも健順とも何とも呼へし并に天は知らす事なり
高天原即天にて其外は皆気也其気を包みたれは地の下は
皆海也俗説に万古の魚有て地うぃ載たりと云童話に似
たれと是大古より伝へ来し成へし偖其地は其中に周