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コレクション: STAGE8

地震記 下 - 翻刻

地震記 下 - ページ 69

ページ: 69

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 成べしと人家有所をはなれて北へ越しに未同し調子なるは此も  悪所と覚ゆ愛宕には知れる坊有是に誘ひ行と云いさとて又  登り〳〵て其坊に着く坊主出て何とてかく早く登山しけるよと  申せしかはしか〳〵の事有と答ふ爰はいかにと問爰も猶安から  す少にても高き所へ参りたしと云其所に護摩堂あり此に行れよと  ありしかは此堂に入て大に歓ひ扨々安堵に住せり調子初て直り  しとて只いつまでも此に居度由申せしか頓て地震ゆり出し夥敷  事いふ斗なし《割書:世間に云寅年|大地震》何とかしたりけん彼護摩堂は架作(タナツクリ)  にて  頓て深谷へ崩れ落て破損し四方市も空敷なる六十余りにても  有べき歟此一生の終りをして人の吉凶さへ姦きほどに知るものゝ己か  終る所をしらざるのみに非ず死場にて安堵し けることこそ不審なれ  吉の極る所は凶凶の極る所は吉なれは成べし毎度無禅か物語也と  仰らる愚按るに四方市の占考著(イチジル)き事賞するに余り有既に天  地の変異を知りて愛宕山にのかれしとうへなる哉此山にいたりて  調子直りしに其変もあんなれは是は陰極りて陽を生す楽  極りて哀生ずといふに同じからん其頃は京師一般の大変ゆへ震  気充満して歩むに道なく逃るに所なしと云時なれは四方市も  身体茲に極るといふ所ゆゑ反て其音調の直りしも至極の事に覚ゆ 〇素問五運行大論曰 風勝ときは則地動 怪異弁断に曰此説に  随ふ時は地震は風気の所為也又曰地震に鯰の説世俗に有