← 前のページ
ページ 32 / 378
次のページ →
翻刻
53
【右丁】
を包(つゝ)み御座(こさ)を築(つか)せらるれは氏に人〻同しやうに御座をそつかれける《割書:朝野|群載》
同十八年十月 聖武天皇(しやうむ )元正上皇(げんしやう )光明皇后(くはうみやうくはううう)金鐘寺(こんしやうじ)に行幸(みゆき)成て
大像の供養(くよう)あり佛の前後に一万五千七百余の燈明(とうみやう)をかゝげ給ふ《割書:續日|本紀》道師は
婆羅門僧正(ばらもん )咒願師(しゆぐはんし)は行基僧正(ぎやうぎ )とぞ聞へし《割書:東|鑑》㝡初(さいしよ)より八ヶ度まて𨸩め
鑄(ゐる)《割書:朝野|群載》遂(つい)に天平勝宝(てんひやうしやうほう)元年十月 其㓛( こう)こと〳〵く成就(じやうじゆ)す同四年四月に
開眼供養(かいげんくよう)アリ《割書:續日|本紀》道師は菩提僧正(ぼだい )咒願師(じゆくはん )は道濟律師(たうさいりつし)講師(かうし)は隆尊(りうそん)
読師は延福とぞ聞へし《割書:帝王|編年》
これよりはしめ最初の供養の時行基僧正を導師にと宣下を結【給】ひしが僧正加程
の導師凡僧の身に応はぬ事にて侍る近頃に異朝の僧来らんそれぞ導師に
是せ【足れ】りと辞し申されしが天平八年既に来朝の■【期】なりとむかひ船【艤】て難波の磯
を潜はなるゝに法衣の袂は只百花の風にひるかへるに異ならず。音楽の響と【は】
ともに万水の浪に■【調】べるほどこそあれ沖波遥によせ来る船ありたがひに
それぞとや思ひけん櫓檜に船を飛し見るがうちにちかつきぬれはたがひに
うちゑみ只旧友に
異ならず《割書:帝王|編年》
拾遺
雲上【霊山】の釈迦の御前に焚【契】てし真如朽せす逢見つ■【る】かな 行基僧正
仝
迦毘羅衛にともに契し甲斐ありて文殊のみかほ■【逢】みつるる哉 波■門
大仏殿前金銅燈爐図
柱に銘あり
宋陳和卿が方八角に
鋳たる金燈爐なり
四面には仏像
四面には獣形あり
銘は銅柱にあり
別記に書す