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コレクション: STAGE2

信越地震水記 全 - 翻刻

信越地震水記 全 - ページ 29

ページ: 29

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 夜中何事もしれさる故声を上て名を呼たれと答もなく度々  呼たれハ漸答へる声聞へて戸の下ゟはい出来り両人面会  無事を悦ひたれと地震引つゝき住居たる家ハ別家建二而  瓦屋本家ハ余程離れ尤も大家芦葺屋の由是ハ倒れかゝり  たるが家の後に大木松ありて横にかゝり留り長屋ハ潰れ  飛騨守殿家来長屋住居たるハ外へ出怪家なく常の地震と  違い大筒二而も打懸し如く一旦にて山崩れゟハ雲起り所々の  出火雲に移り物凄き事いはん方なく何事も茫然として  人心付す漸々潰家の側へ行震動中なから瓦を取り除御  証文并大小御用箱を取り出し能も出火せさりしと思ひしに  跡にて見れハ火鉢江火をいけ其上へ大瓶を懸ヶ置たるか其  大瓶割て切火を消し行燈ハ倒れ消たるも幸なりし由翌  日昼頃二至り四五里隔てたる所ゟ握りめし参り一二ツツゝ給也  たるが腹のへりたるにも心附す善光寺町兼而の人別をしらへ  生残たるを改たれハ町中二て二百人余残り其日の泊り旅人を  合せ員へ上れハ凡三万人程の死亡尤其内二は生残直帰国  したる有之所の者逃のかれて立戻るあらんか差当り右  之通人数失し候由震動厳敷土地は凡東西十五里斗  南北八九里の程潰し家地割ㇾも多くあるへき由山の崩ㇾ  奥の地ハ委細はしれす誠二空二考へたる事の由震動  中臭気何とたとへん方もなく地割は田は少く畑多く  喰違ひたる間も土砂を吹出し犀川の高山凡半分程