翻刻
【右丁】
もの有□摩(まの)若木の桜の実(み)植(うへ)なるよし
春(はる)より秋(あき)まで花開冬は花なし夏(なつ)五六
月比に若芽(わかめ)出て梢(こずへ)に花 咲(さく)葉(は)茂(しげ)し
春は山桜より早く花咲と也花 単弁(ひとへの)
小輪にして葉 小(ちいさ)く枝もほそし高(たか)さ尺(しやく)
に過ずして花 貼(つく)とぞ又八重有 四季(しき)
とも花開く一 株(ちう)の内に莟(つぼみ)あり開花(かいくは)有
【左丁】
落花(らくくは)有 若葉(わかば)あり落葉(をちば)あり駿州(すんしう)に
此 類(るい)所々に有又右 節会(せちゑ)桜一名十六日桜
此 義(ぎ)予州(よしう)の土人に訪問(ほうもん)せしに四季(しき)には
咲(さか)ず正月十六日 極(きはめ)て開(さく)とそ同国(どうこく)和気(わけ)
郡(こほり)山 越村(ごへむら)竜音寺(りやうをんじ)の山 際(ぎは)にありとぞ