翻刻
たり
水源(すいげん)分流(ぶんりう)の地(ち)
両処(りやうしょ)水地(すいち)の間(あいだ)に一道(いちだう)の高丘(こうきう)ありて、之を分界(ふんがい)す
る処(ところ)、之を水源(すいげん)分流(ぶんりう)の地(ち)と云ふ、また地勢(ちせい)凸起(とつき)の
状(かたち)家屋(かおく)の項(むね)の如くにして、水(みづ)これより湧出(ゆしゆつ)し左(さ)
右(いう)分流(ぶんりう)する地(ち)、またこの名(な)を命(めい)ず
河口(かこう)
凡(およ)そ河(かは)は大約(たいやく)一口(いつこう)ありて、其|水(みづ)を江海(こうかい)に帰(き)する
ものなれども、また数多(あまた)の口(くち)あるものあり○凡(およ)
そ淤泥(おでい)の地(ち)を流(なが)るゝ|河(かは)は、常(つね)に土(つち)を流出(りうしゆつ)する事
多量(たりょう)なり、しかるにその海(うみ)に近(ちか)づくや、流注(りうちゅう)の勢(いきほい)
漸(やうやく)減(げん)じて、その運(はこ)ぶ所(ところ)土(つち)は、その地(ち)に沈殿(ちんでん)し、その
形状(かたち)三角(さんかく)なる沙洲(しやしう)を生(せう)ず
潮河(てうが)
潮水(うしほ)の長落(てうらく)する江海(こうかい)に通(つう)じ、其|水面(すいめん)の高低(こうてい)朝潮(てうてう)
晩汐(ばんせき)に従(したが)ひて、変(へん)ずるもの、之を潮河(てうが)といふ、また
海潮(かいてう)河流(かりう)に相抗(あいこう)して、怒涛(どゝう)激浪(げきらう)を起(おこ)し、河(かは)に逆流(ぎやくりう)
して、舟(ふね)を覆(きつがへ)し岸(きし)を崩(くづ)す事あり、之を高潮(こうてう)と云ふ、