翻刻
櫛(くし)にて髪(かみ)の毛(け)を幾度(いくと)もすくべし必(かならず)正気(せうき)付(つく)も
のなり何(いつ)れ上昇する原因(けんいん)は身体(からだ)の加減(かげん)によ
りて稼働(かせきはたらく)遠足(とふみち)等の草臥(くさびれ)あるにも抱(かかは)らずすき
腹(はら)の時(とき)又は酒(さけ)食物(たべもの)満腹(まんふく)したる時(とき)長浴(ながゆ)する所(ところ)
より上昇(ゆきあたり)おこると見(み)へたり必《ルビ:註意|ちうい》あるべし
右(みき)浴治法(よくぢほう)は概略(あらまし)を載(の)せたりといへとも猶(なほ)浴者(よくしや)
の病傷(やまひきづ)によりては是非共(せひとも)手術(しゆじゆつ)の与(あた)ふべき事(こと)有(あ)
る時は其宿主(やどぬし)に委(くわ)しく尋(たつ)ね乞(こ)ふべし然(しかう)して充(じう)
分(ふん)浴治(よくぢ)を尽(つく)し充分(じうぶん)病(やまひ)を愈(なほ)し以て全体(ぜんたい)に至(いた)らし
め全(まった)く其(その)効(こう)あらんことを
産物(さんふつ)
○湯花(ゆはな)
金創切傷(きんさうきりきつ)の血留(ちとめ)に速効(そくこう)あり打撲(うちみ)折傷(をりきつ)腫物(はれもの)等(とう)
には湯花(ゆはな)壱包(つゝみ)へ水(みつ)弐《ルビ:升|しよう》焼(やき)塩(しほ)壱勺(いつしやく)程(ほと)加(くわ)へ細火(ほそひ)
を以(もつ)て温度(をんど)を与(あた)へ浴泉(よくゆ)位(くらい)の定度(ていど)にして其傷(そのいたみ)
所(しよ)を潤(うるほ)しこと一日に三《ルビ:度|ど》もしくは五度《ルビ:迄|まて》を
用(もち)ふべし又(また)は脚気(かつけ)僂麻質私(りゆうまちす)には湯花の分量(ぶんりやう)
を以(もつ)て風呂湯(ふろゆ)に沸(わか)して浴用(よくよう)にしてよし其(その)効(こう)聊(いさゝか)
本泉(ほんゆ)と異(ことな)ることなかるべし
○鎌先(かまさき)洗土(つち)