みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

鎌先温泉由來記 - 翻刻

鎌先温泉由來記 - ページ 7

ページ: 7

翻刻

あり覚(さ)めて奇(き)として山(やま)に上(のぼ)り所(ところ)を卜(ほく)して之(これ)を 鑿(われ)は忽(たちま)ち温泉(おんせん)湧(わ)き出(いで)て旧(もと)に復(ふく)すと言(い)ふ此(この)とき 寺号(じがう)を改(あらため)て告夢山(こくむさん)温泉寺(おんせんじ)と称(せう)すと言(い)ふ是(これ)この 霊夢(れうむ)の告(つけ)あるを四方(しはう)へ公(おほやけ)にせんことを欲(ほつ)して なうとかや其頃(そのころ)元亀(げんき)天正(てんしやう)年間(ねんかん)天下(てんか)麻(あさ)の如(ごと)く乱(みだ) れ英雄(えういう)四方(しはう)に割拠(くわつきよ)して互(たか)ひに其鉾先(そのほこさき)を争(あらそ)ひ或(あるひ) は其境界(そのきやうかい)を奪(うば)ひ奪(うば)はれ終(つ)いに世代(よかわ)り年経(としへ)て該(その) 寺(てら)絶(た)ひて今(いま)は亡(な)し原野(げんや)と成(な)りて只(たゞ)安全寺(あんぜんじ)の寺(じ) 跡(せき)のみ残(のこ)れり斯(かく)て又(また)一百五十三年の後(の)ち享保(きやうほ) 十六年|辛亥(かのとのい)の秋(あき)大(おほひ)に地震(ちふる)ひ又(また)堙(うつま)り幾程(いくほと)もなく 又(また)沸(わ)き出(いで)て今(いま)に至(いたつ)て尽(つく)る事(こと)なく浴治(よくち)するもの 益(ます〳〵)多(おほ)し疾(やまひ)を愈(なほ)すも亦(また)極(きわ)めて妙(めう)なり屡(しば〳〵)湮(うつま)り数(しば〳〵)沸(わ) き出(い)つ其是(それこれ)神護(しんご)あるなるべし之(こ)れを管轄(くわんくわつ)する 者(もの)は一条(いちでう)某(それがし)其祖(そのそ)は京都(きやうと)の人(ひと)にして古昔(むかし)乱(みだれ)を避(さ) けて爰(こゝ)に来(きた)りて居(を)ること数年(すうねん)終(つ)ひに此(この)温泉主(ゆぬし) となり代々(よ〳〵)以(もつ)て伝(つた)うといふ 〇白石町(しろいしまち)より里程(りてい)壱里半にして白石川|大橋際(おほはしきわ) 右は一等(いつとう)道路(だうろ)左の方(ほう)西(にし)へ折(お)れ行(ゆ)き上(のぼ)りて福岡(ふくおか) 村(むら)鎌先温泉道(かまさきおんせんみち)なり坦夷(たんい)ならずと雖(いへ)とも今猶(いまなほ)新(しん) 道(だう)開鑿(かいさく)なりたれば車馬(しやば)の往来(わうらい)聊(いさゝか)妨(さまた)けなし又(また)字(あざ)