みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE3

地震世直草紙 全 - 翻刻

地震世直草紙 全 - ページ 12

ページ: 12

翻刻

濁世(しよくせ)の人間此難(にんけんこのなん)をのがるゝもの稀(まれ)なり聊信者(いさゝかしんじや) 有(あり)といへども前世(せんせ)の因(いん)を逃(のが)れがたしはる〳〵 来(きた)り此所(このところ)に落命者少(おはしんものすくな)からず然(しかれ)共|弥陀(みた)の本願(ほんくわん) 普(あまねく)して悉(こと〳〵)く亡者得解仏果(もうじやとくだつぶつくわ)を得(え)せしむべし 疑(うたか)ふ心(こゝろ)有べからず見よ〳〵|今(いま)にと曰(のたま)ふと思へハ 忽天地震動(たちまちてんちしんとう)し轟音(とゝろくおと)すさまじ既(すて)に此堂(このどう)も ゆり崩るゝかと思ひければ彼者御僧(かのものおんそう)の袂(たもと)に すがりて堂前(とうぜん)にあゆミ 三衣(さんえ)の袖(そで)のすきより四方(よも) のありさまを見渡(ミわた)す内(うち) 又大(またおほい)に震(ふる)ひしかバ目(もく)ぜんに 坊舎(ほうしや)をはじめ民家旅宿(ミんかたひやと) 残(のこ)らず将棋倒(せうぎたを)しに悉(こと〳〵)く 震崩(ふるひくづ)せハ是(これ)が為(ため)に押(おし)に