翻刻
あとは得いはずくひしばり 筋骨(すぢほね)の違(ちかふ)たをりやじするとき
あらわれいでたる 家のたをれた窓(まと)より逃(のかれ)て出る人
ぬきあしさし足うかゝひよる よなべの仕事(しこと)で地震のゆるのを
ハツト玉ぎる女のなきごへ おなじくかんじんの所
聞ゆる物音こゝろへたり どう〳〵と地震の音(おと)のするとき
唯(たゞ)ぼうぜんたる 丸|裸(はだか)でよう〳〵のがれた人
気は張弓(はりゆみ)心は矢(や)たけ 足よはの人子をいれて藪(やふ)中へにけ込人
互(たかい)の身の仕合 御客にも怪我(けが)のない宿屋
本朝大地震年代記
○人皇七代孝霊帝五年乙亥年
近江国地一夜に裂(さけ)て湖水となり 冨
同時に駿河(するが)国冨士(ふじ)山一夜の間 士
に涌(わき)出しと云又曰神代より有 山
とも何れ是なるや
○二十代元恭帝丙辰七月廿四日
○三十九代推古帝七年乙未四月廿七日 叡
○四十代天武帝白鳳四年乙亥 近江 山
十一月十日 同十三年戌寅十月四日 湖水
同十九年甲寅十一月七日 之図