翻刻
煤炭(ばいたん)是なり、煤炭(せきたん)の産出(さんしゅつ)する地(ち)は、北(きた)アメリカ洲(しう)
英国(えいこく)の属部(ぞくぶ)、合衆国(がつしゅうこく)、南(みなみ)アメリカ洲(しう)、大(だい)ブリテン及(およ)
び支那(しな)殊(こと)に多(おほ)く産出(さんしゅつ)す、煤炭(せきたん)砿山(くわうさん)の最(もつと)も大(おほ)いな
るものは合衆国(がつしゆうこく)にあり
光炭(くわうたん)、
光炭(くわうたん)は煤炭(せきたん)の別種(べつしゆ)にして、喪服(もふく)の衣襟(えり)、指輪(ゆびわ)、或(あるい)は
手釧(たまき)等(とう)に付(つく)るに供(きよう)す、仏国|南部(なんぶ)オーラの一処(いつしよ)に
て、光炭(くわうたん)を以(もつ)て器(うつは)を制(せい)する人(ひと)、一千二百人あり、共
用(もち)ふる多寡(たくわ)、年〻(ねん〳〵)十万ホンドに至(いた)ると云ふ、
硫黄(いわう)
硫黄(いわう)は単純(たんぢゆん)の元素(げんそ)にして、能く燃焼(ねんしやう)するを以て、
また燃石(ねんせき)の名(な)あり、此|砿物(くわうぶつ)は大約(たいやく)火山(くわさん)の産出(さんしゆつ)に
係(かゝ)る、故(ゆゑ)にシヽリー、アイスランド等の国(くに)に多(おほ)し、
ビツチユメン、
此(この)砿物(くわうぶつ)は時(とき)あつて堅硬(けんこう)なるものあり、また時(とき)あ
つて柔軟(じうねん)なる事|油(あぶら)の如きを見(み)る、その堅硬(けんこう)なる
ものを瑿(くろごわく)と号(ごう)す、北高海(ほつこうかい)近傍(きんはう)にビツチュメンの泉(いづみ)
多(おほ)し、またビルマのラングーン近傍(きんはう)のヒッチュメン