翻刻
あるが如(ごと)し、較著(かくちよ)なる高山(こうざん)にては、山上(さんじやう)山下(さんか)其中(そのちう)
間(かん)に産出(さんしゆつ)する動物(どうぶつ)の各異(かくゐ)なる事、緯度(ゐど)を逐(お)ひて
其|種類(しゆるい)の差(さ)あるが如し、
人種(じんしゅ)
人類(じんるい)は地球上(ちきうしやう)の各地(かくち)に蔓延(まんえん)す、それ人体(じんたい)の結構(けつこう)
は、他(た)の地(ち)を論(ろん)せず、よく其|風土(ふうど)に適(てき)するに足(た)れ
るを以(もつ)てなり、人類(じんるい)は数族(すうぞく)に分(わか)るを以て、性理学(せいりがく)
者流(しやりう)の之を区別(くべつ)する事|数様(すうよう)あり、即(すなは)ちプリチヤ
ルドといふ人書(ひとしよ)を著(あらは)して人類(じんるい)を三つに別(わか)てり、
その法(はう)毛髪(もうはつ)の色(いろ)に従(したが)へり、即(すなは)ち黒毛族(こくもうぞく)、紅毛族(こうもうぞく)及(およ)
び白毛族(はくもうぞく)是なり、第二(だいに)は椶(さう)【棕】色(しょく)、紫黒色(しこくしょく)、黄色(わうしょく)、紅色(かうしょく)、麻(ま)
黄色(わうしょく)の髪(かみ)ある人種(じんしゆ)、第三は白髪(はくはつ)にして眼(まなこ)赤(あか)き人(じん)
種(しゆ)を云ふ、またプリュメンバツチは有名なる性理(せいり)
学家(がくか)なるが、脳蓋骨(のうかいこつ)の形状(かたち)に依(よつ)て人類(じんるい)を五族(ごぞく)に
別(わか)てり、即(すなは)ちコーカシヤ民(みん)、蒙古民(もうこみん)、アメリカ民(みん)、ア
フリカ民(みん)及(およ)びマライ民(みん)是なり、今(いま)普天下(ふてんか)の人員(じんいん)
大約(およそ)十億(じうおく)あり、其内(そのうち)コーカシヤ民(みん)は四億(しおく)二千万