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いふものは甚(はな)はた高価(たかね)のことくに見ゆ
れど製造人(せいさうにん)の得(う)るところの利益(りやく)といふ
ものは甚(はなは)た少(すく)なふして尤其うちには
ほとんど利益(りやく)のなき事もあり而して
また此(この)細工(さいく)の安直段(やすねたん)のさいくものに
てははなはだ少(すこ)しの時間(じかん)ならでは保(たも)
ち得(え)ぬ
時計に於(おけ)るもまた前断(まへのことはり)のことし及び
時計を製造(せいさう)するに於ての注意(こゝろつけ)を厚(あつ)く
するは他(ほか)の仕事(しごと)よりも尤|専一(せんいち)に肝要(かんよう)の
事であるこゝに一箇(ひとつ)の時計を製造(せいさう)
しあぐるに及びて其|器械中(きかいちう)の尤|枢要(すうい?よう)【左ルビ:カナメ】な
る器械の出来(でき)あがりやうによりて時計の
等級(くらゐ)かかりに定(さた)めらるゝかくの如き事は
常(つね)にあまりなき事なれども若(も)しもこの
時計がよろしき出来(でき)にあらざる時には
等級(とうきう)はつけられぬなり
およそ「コロノメートル」といふ時計は時計の
うちに於て尤よき時計と定めてある
若(も)しその「コロノメートル」枢要(すうやう)なる器械か並(なみ)