翻刻
を見るためまたはちいさき器械をい
ざなひはじむる処の「テンプ」を見る為
にガラスて出来てある中蓋の時計を
《ルビ:支那|しな》人は《ルビ:所持|しよち》なす事を人か《ルビ:許容|きよよう》
す《ルビ:最初|さいしよ》《ルビ:欧羅巴|ようろつは》の時計屋か《ルビ:支那|しな》の国
へ《ルビ:懐中時計|くわいちうとけい》をはしめて《ルビ:輸入|ゆにふ》し一度に
時計を二ツ《ルビ:宛|ツヽ》もちて時計を合す
夫は一ツが《ルビ:運動|うんとう》してもし一ツか《ルビ:止|とま》りても
《ルビ:用弁|ようべん》をかゝぬためまたは《ルビ:針|はり》かすゝむか
おくれるかを見くらぶるためなり
これによりて支那人の《ルビ:信用|しんやう》をうけ
一度に二ツ《ルビ:売|うり》はらひ二ツぶりの《ルビ:利益|りえき》を《ルビ:得|う》
る事をこゝろつきたり
大かた日本の人の《ルビ:欲|ほつ》しねがふ処の時
計は《ルビ:彫物|ほりもの》が器械のうちにしてあるぶんを
このむ《ルビ:然|しか》し其ほり物のしてある器械は
はなはた《ルビ:佳|よ》からぬ品なり夫ゆえに必らす
其彫物のしてある時計をば《ルビ:渇望|かつぼう》【左ルビ:ホシガル】せまじ
といふ事を《ルビ:議論|ことばだゝかひ》するなりそれをいかん
といへば時計の《ルビ:製造人|せいざうにん》【左ルビ:コシラヘタ】が並の時計にて