翻刻
純金(じゆんきん)三百七十五分混和物六百二十五分
○精金(せいきん)の代価(だいか)を明細(あきらか)に察知(さつち)する事は
カラの度(と)に因(より)て違(たか)ひをなすなりたと
へは十八カラなる品位(くらゐ)と九カラあるひは
また十二カラの品位(くらゐ)とにおゐて代価(だいか)の
叚楷(しだん)を区別(わかち)なす事|甚(はな)はだ審(つまひら)かに
確実(たしか)なりしかりといへとも至(いた)つてしは〳〵
買人(かひて)がかく明瞭(めいりやう)【左ルビ:アキラカ】たる差別(しやべつ)を欲(ほつ)せず
すなはち此の差別(しやべつ)を欲(ほつ)せざるは功者(かうしや)なる
人にはあらざるなり
○金性(きんしやう)の品柄(しなから)を明(あき)らかにしらせんとする
には総(すべ)ての時計師(とけいし)またはもろ〳〵の
飾(かざ)り物師(ものし)に於てはかならすしらねはな
らぬ壹(ひと)つの手立(てだて)かあるなり而(しか)して夫(それ)
を詳(つまひ)らかに弁知(べんち)【左ルビ:ワキマヘシル】するには甚(はな)はた僅(わつ)か
なる業(わざ)てあるなり
○飾(かざ)り細工(さいく)ものゝ|商人(あきんと)あるいはかざり細(さい)
工(く)もの師は摺石(すりいし)《割書:和名つ|け石》にてあきらかに
之(これ)をしらるゝなり其(その)すり石といへる物
は燧石(ひうちいし)の種類(しゆるい)にして薬(くすり)名(な)「酸(さん)」とい