翻刻
をまき又はまく手加減(てかげん)のほど合に気(き)
をつけて誤(あやま)るへからず
時計の鍵(かき)を着服(きもの)のかくしの内に入|置(お)く
べからずあるひは錆(さび)る処またはちりほこ
りの這入(はい)る処に置(おか)ぬやうにこゝろを
用ゆへし
時計をまく時(とき)に時計を聢(しか)と動(うこ)かぬやう
に持(もち)て居(を)るべし及ひ時計を巻(まか)んとして
鍵(かき)と共に時計のまわらぬやうに深(ふか)く心を
用ゆべし然(しか)らずして右(みき)より左(ひたり)へ時計(とけい)を
動(うこ)かさすして鍵を持たる手ばかり廻(まは)す
べしあるひは時計(とけい)をまく時|鍵(かき)を巻(まき)ては
戻(もど)し巻てはもどしなどせずして順(じゆん)
によく巻終(まきをは)るべし
平常(つね)にはなき事なれども時計を掃(さう)
除(じ)せず又は油(あふら)をかゆる事なく十八ケ月
あるひは二ケ年の余(よ)も運動(うんたう)せしめずして
かならす置べからす
倹約(けんやく)せずして時計のとまる迄(まて)をまたず
時計師(とけいし)にたのみて掃除(さうし)をよくせしむべし