みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE3

世直り艸紙 - 翻刻

世直り艸紙 - ページ 9

ページ: 9

翻刻

の死亡(しバう)も有まじきに津浪によつて死亡多き 事ふしぎの珍事(ちんじ)なり其ゆへいかゝんことなれハ 地震(じしん)いかほど大ゆりいたし候にも主人たる人先 心を落(をと)し附家内火の用心を専一(せんいち)と見廻(みまわ)り 火鉢(ひはち)などに火の有ところに土ひん水を入てかけ 置|印形(いんぎやう)帳面大切の品〻用意いたし金銭の 類ひハ家内の人〻に割(わり)わたし置(おき)老人婦女 |幼年(ようねん)のものをさとし力を添てみだりにうごく事 なかれ天ざい地ようハ何れへのかれてよしともまた 難(なん)にあふとも斗りがたし万一うろたへ大|道(どう) 往来にて死亡(しバう)におよぶよりとても死(し)する命なれハ 家の内にて死する事かなるべきやしかれども現 在我家くづるゝを見て覚悟(かくご)を極(きハ)め観念(くわんねん)いたし 居るをいふニあらず其時の地しんのようすを得(とく)る かんがへ其家のもやうによつてのがれ出て広場(ひろきば) 所(しよ)へ行(ゆく)もよし夫とても主たる人ハ心をおとし