みんなで翻刻ver1

コレクション: STAGE9

那為の後見艸 全 - 翻刻

那為の後見艸 全 - ページ 17

ページ: 17

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山の宿の方へゆくに此辺も大低地を拂て焼失したゝ花川戸 山の宿聖天町の大川によれる方のミわづかに焼残りしかと夫も 多くハ倒れ掛りて長丸太もてさゝへ置たり此辺ハ本所深川 とひとしく強きゆり也と云されと浅草寺観音堂中堂雷門 矢大臣門五重塔未社等ハさせる破損なし又並木町より天 王橋際迄も破損ハ少なれども諏訪町駒形二丁目ハ出火し て多く焼たり《割書:天王橋を過き下谷七曲りより筋違外|辺迄の事ハ前記にのせたれハ贅せす》抑こたひの地 震ハ江戸御城地を成し以来きゝもおよはぬ大ゆりにて御三 家方を始め大名衆御旗本御家人陪臣百姓町人の未々迄も 此災をのかるゝ者いと少しとかやよて己老ほれの身のよし なき事とハ知りなからそのあらましを見も聞もしして 拙きふんてにかひしるしてんとおもふものからまつこゝろ のまに〳〵東西南北と巡視せしか行先々目驚く事しは〳〵 なりそか中に特に哀れむへきハ深川本所及ひ下谷金杉 三の輪より新吉原町田町芝居町辺なりされと己ひそか に熟考するに町方の死傷ハ其筋より訴へ出る掟なれハ きゝおとろく程の多人数なるも知るへきなれと諸矦及ひ 御旗本の藩臣抔はたとへ死傷人多く共皆深くひめかくし て披露なけれハ幾千万の死傷有しもはかられ難く己 こたひまのあたり目驚せしうち大名小路辺長屋潰れしさ