翻刻
うくひすよ正月かきた目さませと
谷のあさとをたゝく初東風 蟹丸
江を渡てけさ春也と梅柳に
うくひすよりもふける初東風 継我庵市丸
道風は硯をわれと厚氷
わらてやなかす今朝の東風 鵺丸
智者仁者わきてたのしむ今朝の春
みつは若水山は蓬莱 鉄格子波丸
若草の色青畳へけし人形
こほしたやうにみゆる野遊ひ 庵丸
京都
くし貝の竹のはやしに寄合ふは
賢き人の花?の七草 《割書:由縁斉貞柳孫|》麦里房貞也
琴の音にかよふ大路やのんとりと
ふき組?をきく門の松風 宜春亭楚雀
ゆつたりと布袋の腹の春か来て
梅かから子に東風のふく神 松風亭琴之
難波津の名に売始やそれそとも
おしはかりたるみつの蛤 寄友亭吐楽
同
さく迄は父母と呼れていかにまた
花にはつらくあたる春雨 得閑斉繁雅
けふ入しひかん茶のこか春風の
そこらあたりへくはる梅か香 邦教
はまくりの貝とる人もいつとなう
干潟はるかににちり出たり 由慶
勘定にねの日の千世をかけてみりや
まつは引合物てこそあれ 砂長
株わけし弟の世ときくの根や
はなの兄貴は隠居めされて 季隆