翻刻
豕(いのこ)のごとしといふ説(せつ)は宋(そう)の
王 逵(わうき)が蠡海集(れいかいしう)に此事あり理(ことは)り
なきにあらすそれ風雷(ふうらい)の二物
は天にありてかたちなし易(ゑき)に
おゐて象(しやう)を乾にとる乾(けん)は
戍亥(いぬい)の方位(はうい)なりゆへに風伯(ふうはく)
のかたちを犬(いぬ)になし雷公(らいこう)の
かたちを豕(いのこ)になすといへり《割書:風伯トハ神|風之風俗》
《割書:通ニ云戍神為風伯云々風雷ヲ易ニテ戍亥ニトレハ風神ヲ|戍ニナシ雷神を亥ニスルナリ 亥ト豕ト同》
また国史(こくし)補(ほ)には雷州(らいしう)に《割書:国ノ名|ナリ》
春夏(はるなつ)は雷おほしかたち豕(いのこ)
のことし人これを取りて
喰(く)ふとありそのほか大明(たいめい)一統(いつとう)
志(し)または廣輿記(くはうよき)の雷州の
部(ぶ)に春夏(はるなつ)は雷となり秋冬(あきふゆ)
は伏(ふ)して豕(いのこ)のごとしとあり