翻刻
雷は天のいかりなりとて坐(さ)
を正(ただ)しくして慎(つゝしみ)たまふ不仁(ふじん)
不義(ふぎ)の悪人(あくにん)父(ちゝ)を殺(ころ)し君(きみ)を殺(ころ)すと
きたちまち雷にうたれて死(し)
する事(こと)あり然(しか)れば雷(いかつち)も心(こゝろ)
ありとせんや對て曰これ感(かん)
応(おう)といふものなり《割書:感応ト云ハ床子ニ|アタリ触ルカコトシ》
《割書:応トハ触ルヽニ随テ動クヲ云動クモマタ感ウコカス|モ亦応ナリ此ノ二ノ者常無窮》
感(かん)といふはその類にしたがつて感(かん)
あり其るゐに随つて応あり同気(どうき)相求(もと)
む道理(どうり)なり霹靂(へきれき)は天地のいかる気(き)
なり雷(いかつち)は正敷(ただしき)ことにもいかれば悪気(あくき)
あり天の怒(いか)りと人の悪気と相感して
雷を引てうたるゝことあり譬(たとへ)ば
鐘(かね)をうてば響(ひゞき)きそのまゝ応す
るがごとし悪(あく)をなものは鐘を