翻刻
うつがごとし雷これをうてば
其 響(ひゞき)の応する道理(どうり)なり自然(しぜん)
にしかる理なり菅丞相(かんしやう〴〵)ほどの
賢公をも感応(かんおう)の理(り)をしらざる
輩(ともから)は雷と成りて祟(たゝり)をなし
給ふという浅間(あさま)しきかなかの時平(ときひら)
こときの佞臣(ねいしん)讒口(ざんこう)をかまへて
忠貞(ちうてい)の菅公(かんこう)を流罪(るさい)にしづめ
たりしその悪逆(あくきやく)によりて天(てん)
雷(らい)の怒気相 感(かん)じ打(うた)れたるもの
なりまた雷によつて火の有こと
程伊川(てひいせん)の語録(ころく)の説(せつ)に錐(きり)を以て
木をもむ時はかならず火を取る
木中(もくちう)すら火ありこれ 木 動(うこく)時(とき)は
陽(やう)生(しやう)ずが事がゆゑに火あり雷の
火も動するによつて陽火(やうくわ)いで