翻刻
【右丁】
碁の手相のわけ
一 碁の手相といふは位に九段有り其内に名人また名人
上手の間ひの手相また上手の手相といふあり夫より
王下をはみないくつの手直りといふ
一 名人といふは位九段なき名人上手の間の手相と
いふは位八数なり是を世に半名人といふ其言也
すきをもつてなり上手といふは七数なり
さてすへて棋の手直りと云ふを定むるは名人に
対しての手相をもつて定むるにはあらす
この上手に対しての手相をもつて定むる
なり尤いくつの手なをりといふて何段とはいはす
然れとも多く初数二数と段をもつていふことを
【左丁】
なすは是また其云安きかためなりとしるへし
彼上手へ対して三つの手相なるものを手直りといふ
則初数といふもの也此初数なるもの名人対して定
四つの手相なり名人は上手より先続き物なる
故也又上手にたいして二つ三つなるものをは是を
二つ三つの手直りといふこれすなわち二数といふ
もの素利是よりして定二つは三数先二つは
四段定先は五段先々先は六数なりすべて
手相一段ちかへは半石つゝ違ふと知るべし
碁に用ゆる言葉の字
幹(ワリタス) 立(タツ) 提(トル) 約(ヲサユル) 断(タチキル) 冲(ワリコム) 劄(ツキアタル) 撲(ウチコム)