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コレクション: STAGE1

豆州熱海誌 完 - 翻刻

豆州熱海誌 完 - ページ 10

ページ: 10

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○大湯(おほゆ) 本町(ほんてう)の上手(うわて)西側(にしがわ)に在(あ)り昼夜(ちうや)各々(おの〳〵)三回(みたび)時(とき)を 違(たが)へずして湧(わ)く但(たゞ)時(とき)ありて長湧(ながわき)することあり長湧(ながわき) は概(おほむ)ね十二|時間(じかん)とす例(たと)へば午前(こぜん)六|時(じ)に湧出(わきいづ)れば午(ご) 後(ご)五|時(じ)に至(きた)りて止(や)む長湧(ながわき)止(や)めば又(また)十二|時間(じかん)長休(なかやすみ)す 則(すなは)ち午後(ごご)六|時(じ)より翌日(よくじつ)午前(ごぜん)五|時(じ)に至(いた)るまて一|滴(てき)を も出(いだ)さゞるが如(こと)し其後(そののち)五七日間(かん)湧出(ゆしゆつ)の度量(どれう)常(つね)なら ず凡(およ)そ十日を過(す)ぎて始(はじ)めて常(つね)に復(ふく)す其(その)湧出(わきい)づるや 初(はじ)め畳石(石垣)の間(あいた)に於(おゐ)て蟹(かに)の目(め)の如(こと)くに煮立(にえた)ち漸(やうや)く湧(わき) て遂(つい)に沸騰(ふつとう)するに至(いた)りては恰(あたか)も数個(すうこ)の大唧筒(だいぽんぷ)を以 て熱湯(ねつたう)を灑(そゝ)ぎ出(いた)すが如(こと)く二三|間(げん)へだゝりたる大石(おほいし) に熱湯(ねつたう)を吐(はき)かくる其勢(そのいきほ)ひ響(ひゞ)きは雷(らい)の如(こと)く蒸気(ゆげ)は雲(くも) の如(こと)く濺沫(ほどはしり)熱雨(ねつう)をなして近前(きんぜん)すべからす故(ゆへ)に四方(しほう) 数歩(すうほ)の地(ち)木柵(もくさく)廻(めぐ)らして其危害(そのきがい)を避(佐)く聞(き)く支那(もろこし)国 安州(あんしう)の潮泉(てうせん)は一日に三|溢(いつ)三蘸(せう)し撫州(ぶしう)に一日三|潮(てう)の 泉(せん)あり蜀(しよく)に六|時泉(じせん)あり滇中(しんちう)に百|刻泉(こくせん)あり又(また)瑞西国(すいつるこく) のエングストレーブリュネン泉(せん)は毎年(まいねん)五月|中旬(なかころ)より 八月中旬まで毎日(まいにち)午後(ごゞ)四時より午前(ごせん)八時を限(かぎ)りて 湧出(わきいだ)し以太利国(いたりやこく)のウイラフリニアフ泉(せん)は一日|三回(みたひ) 時期(とき)を定(さた)めて湧(わ)き仏蘭西(ふらんす)のコルマンなる或(あ)る温泉(おんせんん) は毎(まい)七|分時間(ぶんじかん)に流出(りうしゆつ)すと然(しか)れとも本邦(にほん)に在(あ)りては