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コレクション: STAGE1

豆州熱海誌 完 - 翻刻

豆州熱海誌 完 - ページ 32

ページ: 32

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其(その)檀越(だんをつ)石渡(いしわた)喜右衛門(きゑもん)等(とう)の諸氏(しよし)と謀(はか)りて建(たつ)る所(ところ)なり 《割書:平沢悌侯の撰する所の温泉|寺記一篇あり本寺に蔵せり》 ○興禅寺(こうぜんじ) 和田村(わだむら)念仏山(ねんぶつやま)の麓(ふもと)にあり海岸山(かいがんざん)と称(せう)す 温泉寺(おんせんじ)と同(おな)じく授翁(じゅおう)和尚(おせう)の開創(かいそう)に係(かゝ)る寛永(くわんゑい)年間(ねんかん)雲(うん) 居(ご)国師(こくし)中興(ちうこう)す雲居(うんご)国師(こくし)年譜(ねんふ)を按(あん)ずるに師(し)諱(いみな)は希膺(きよう) 土佐(とさ)の人(ひと)十五|歳(さい)にして出家(しゆつけ)し法(はう)を一宙(いつちう)和尚(おせう)に伝(つた)ふ 元和(げんな)元年(ぐわんねん)塙(はん)直之(なほゆき)の為(ため)に大坂城(おほさかぜう)に屯(たむろ)し死(し)を決(けつ)す東照(とうせう) 公(こう)の容(ゆるし)を得(え)て妙心(めうしん)第(だい)一|座(ざ)となり又(また)諸方(しょはう)を歴住(れきじう)し寛(くわん) 永(ゑい)七|年(ねん)の春(はる)遁(のが)れて熱海(あたみ)に至(いた)り興禅(こうぜん)温泉(おんせん)二|寺(じ)を中興(ちうこう) す同(おな)じく十一|年(ねん)元和(げんな)法皇(はうわう)の勅請(ちょくせう)に応(おう)じ奏対(そうたい)旨(むね)に愜(かな) ふ十三年|仙台(せんだい)中納言(ちうなごん)政宗(まさむね)の請(せう)に応(おう)じて松島(まつしま)瑞巌寺(ずいがんじ) を中興(ちうこう)す承応(せうおう)三|年(ねん)後光明(ごこうめう)天皇(てんわう)勅(ちょく)して慈光(じこう)不昧(ふまい)禅師(ぜんじ) の号(ごう)を賜(たま)ふ万治(まんぢ)二|年(ねん)八月八日|端坐(たんざ)して化(け)す寿(じゆ)八十 八|享保(けうほ)十九年六月|特(とく)に勅(ちょく)して大悲(だいひ)圓満(ゑんまん)国師(こくし)と謚(おくり)し 賜(たま)ふ国師(こくし)生涯(せうがい)諸方(しよはう)を巡化(じゅんけ)し山(やま)を開(ひら)き寺(てら)を興(おこ)すもの 総(すべ)て百七十三ヶ|所(しょ)に及(およ)ぶといふ惜(おし)むべし当寺(とうじ)しば しは火災(くわさい)に罹(かゝ)り開祖(かいそ)及び中祖(ちうそ)の遺物(ゆいもつ)多(おほ)く焼亡(せうぼう)す然(しか) れども尚(な)ほ本尊(ほんぞん)十一|面(めん)観音(くわんおん)《割書:長三寸|八分》は藤房(ふぢふさ)入道(にうどう)の護(ご) 念仏(ねんぶつ)に係(かゝ)り又(また)雲居(うんご)の法衣(ほうゑ)及(およ)び自賛(じさん)の画像等(ぐわぞうとう)あり支(し) 坊(ぼう)延命庵(ゑんめいあん)神光庵(しんこうあん)みな僅(わづか)に旧墟(きうきょ)を見(み)る《割書:平沢悌侯の記|によれは当寺》