翻刻
《割書:あへばちゞみてあしき物なり|きう火ならバ申すにおよハす》扨(さて)ほそ引(ひき)を持(もつ)事(こと)は
つるべなわのため又やねに上(のぼ)りはしごをとら
れたる時には瓦(かはら)くぎか風(かざ)かへしにゆひつけ
又かやふきの家(いゑ)ならばかやを引(ひき)ぬきて
内(うち)の竹(たけ)にむすび付(つけ)持(もつ)所(ところ)にかの手拭(てぬくひ)を巻(まき)
持(もち)てこけ落(おつ)るによきものなりあるひは
ものをになひ或(あるひ)はみじかき梯子(はしご)をつぎ
なとすつによし其外いろ〳〵|益(ゑき)おほし
三尺の手ぬくひは水にひたしてのんどのかわ
きにしほり入れ又は煙(けむり)にむせぶとき口に咥(くはへ)
て咽(のんど)いたまぬ物なり其外にも益(ゑき)あり
かならず持(もつ)へき事なり
一 家財(かざい)を蔵(くら)へはこぶ時は随分(ずいぶん)心(こゝろ)を配(くば)りて
大切(たいせつ)なるものよりさきに入させたゞ 静(しづか)に
蔵(くら)のおくより物を出し付かさねて入に
まどの際(きわ)戸まへをばすかしおく様(よう)におち