翻刻
【右丁】
畢竟は苦味を本とす苦味は肺気を養ひ気を通
し息をとゝのふ又よく胃中の食物を消化すしかれ
共長く食すれば筋骨をかはかし皮膚の膏沢を
からすことあり
一栗柿棗#1柰#2の類は甘味にしてよく脾胃を補ひ肉をや
しなふの功あり砂糖は一旦滋潤すれば後かならず
胃中をからしかはかすの害あり胃中をうるほすは
蜜を用るにしくはなし
【左丁】
一酒はよく気血を和し膚肉を滋潤する功あり共
に大酒するものは大に独血をかもし臓腑を腐爛する
ことあり上古は皆独醪#3糟を去今いふ中級酒なるべし
人を饗するが如きは席に酒甕#4を居𣏐を添各盞
に酌て各量をつくす肉を甕のかたはらに積号して
ししさけといふ也尤冷飲血食す後世配膳順盃し
て温酒を宴飲するが如くにはあらず
一養生冷食を第一とするはこれをして内の陽実