アイヌ関連資料

コレクション: 蝦夷紀行

蝦夷記行(龍谷大学図書館) - 翻刻

蝦夷記行(龍谷大学図書館) - ページ 6

ページ: 6

翻刻

なれとも進退さまて難からす此所よりして北地は 北海漸々にひらけ潮水悉く北に潅き怒情大に徴す れハ船をやる事かなはすさらハ山を越て東岸に出ん といへは従夷従ひ行事をかえんせす已事を得す して同十七日船を返し同十九日終にノテトに帰り 至りぬ貯糧既ニ尽なんとすれハ心を用ひて米飯をくら わす大抵魚肉草根木実のみ食し其精心の不堪に至て 終に一握り二握りの米粥なとすゝり何卒して此嶋の 周廻を極め尽さんといろ〳〵といへとも東岸ハ大洋を かけて覆没の然多けれハ従夷船をやとも又従ひ行へ しと云者なけれハ如何ともすへき術なく此上ハ我一人 山を越へ谷を渡りて東岸に至るへしと覚悟し泣 夷ハ悉くウシヨロに帰し初より従ふ所の初島夷一人 を残し置て此所に滞留し奥地の事とも地夷にたよ りて質問せしにロシヤの経界も此島を去る事をから す時〳〵其属夷等船に乗して燧巧の火器を持しヲニ ヲーの海上に遊猟する事少からすと聞けれハ猶更ニ 其経界の詳を極さらんも云かいなき事と思ひ幾年 此所にありとも是非其経界を極へしと決し終に 夫家に寓居し其業も助け漁猟をなし木も樵り網を