翻刻
「右帳」
弥次兵衛直右衛門主殿其外の乗舟の面々は大筒
廻りうちの船のさまたけにならぬ様に舟ひかへ引
途(のき)て各鎗を携へて唐船のもやうを見て相守り
備え斯而次第次第に唐船打破り今朝卯の上刻より
巳の刻頃迄拾四人として玉数七百放打掛る壱人
前五拾数打也巳の刻頃には悉打破り唐人壱人
も上棚辺に不出悉舟底に逃入にけり其時弥次
兵衛勇み悦て直右衛門主殿に向て云う唐船も
悉打破唐人壱人不出大?打殺したると見
ゑいさ舟手を唐船に乗せ焼しと云尤可然とて其
「左帳」
時主殿御手加子者共のれのれと下知す御手加子先
つ三四拾人究竟の者一同に恐いこえを出しすつて
熊手を打かけ打かけ我おとらしと乗入続て山中源
右衛門大塚三郎右衛門宮?(一字消す)嶋彦五郎乗込三郎右衛門
は乗と等(ひとし)く大塚三朗右衛門唐船一番乗と名のる
猶も御船頭御手加子追々に我おとらしとおめいて
乗入明松毛筈かすかい等をめいめい持て乗入御手
加子七八十人乗込上棚に有毛氈?圃園上に有
る才半弓を手に手におつ取海になけ込出(の)る唐人ど
を打たおす当りに有船の惣を海になけ込なけ込み