琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

琉球談 - 翻刻

琉球談 - ページ 34

ページ: 34

翻刻

唱哥(しやうが)を伝へて。国王帰位の時か。格別の儀式 ある時此曲を行ふ。神哥を唱ふる間は管弦 ともに声を出さずとなん。  ○俳優 舞楽に続きて俳優(わざおき)あり。其狂言に。鶴亀 といへる兄弟の童。父の仇(あた)を復(ふく)したる古事 あり。日本の曽我兄弟の敵討に髣髴(さまに)た り。昔琉球国中城(なかくすく)といへる所の按司(あんす)。毛国鼎(もうこくてい)と いへる人。忠勇にして国を治む。其古洛勝連(かつれん) の按司。阿公(あかう)といふ者。若うして郡馬(ぐんば)といふ職 になり。国王の覚へ目出度かりしまゝ.甚奢侈 を極めしが.内心毛国鼎を忌(いみ)けるにより.弁舌 を功(たくみ)にして.国王に讒をかまへ.毛国鼎 叛逆(はんきやく)の企(くはだて) 有と奏聞敷ければ.国王 且(かつ)驚(おどろ)き且 怒(いか)り.一応の 吟味にも及ばす.すなはち阿公に軍兵を授け.毛国 鼎を攻討しむ.毛公 無失(むしつ)罪を歎くといへども. 阿公一円に取あへねば.今は是まてと思ひ明しめ. 遂に自殺をぞなしにける.毛公に二人の子あり. 兄を鶴といふ十三歳.弟を亀といふ十二歳.二子 至て怜悧(れいり)なり.父毛公.平日(つね〳〵)宝釼二振を以て.