翻刻
読谷山王子朝恒
秋毎に見し越度とて故郷の空なつかしみ見つる月影
追風なしとてかの所に十余日船をとゝめ
侍りしころ
追風ふく風の便をまつと浮いく夜うきねの数つもるらん
須磨の浦のにて敦盛の塚を見て
須磨の浦に散浮く花の とへはあはれとしらぬ春風そふく
唐さきの松
浦風も枝となしきぬ御代なれば猶も栄んからさきの松
真野の入江
霜むすふ尾花か袖に月さえてまのゝ入江に千とりなく也
鏡山
くもりなき御代の鏡のやまなれは君か千とせの願も見えける
田子の浦にてふしみの山を見て
おもひきや田子の浦辺に打出てふしの高根のゆき雪をみんとは
不二
人とはゝいかゝかたらんことの■ふに■■はぬふしの雪の白妙
霜月初つかたむさしの国にいたりかの所
の月を見て
旅ころもはる〳〵きてもふるさとにかはらぬものはむかふ月影