翻刻
胡蘿蔔(セリニンシン) 菜中第一の美味なり性亦尤よし農
政全書曰三伏の内にうねうへにし或こえ地に漫
種ししきりにこえ水をそゝけは自然に肥大也
三伏の内とは夏至の後第三庚より立秋の後
初庚まてを云〇根の色黄なるをよしとす
四月下旬五月初にふるたねを以うふ又六月に新
たねをまくかねて沙多き肥地をふかく耕し
て糞を多く其上にしきあつき日にほす如
此する事二度地をやはらけ上をろくにし
塊(クハイ)石を去種を二日水にひたし後沙土に拌(マゼ)
てうねをなし二尺五寸ほとのうねに三すち
にまく一所に五六粒まく後にぬき去へし間
とおくまくへし上に又糞土をうすくおほふ
厚けれは生せす生して後にしけきをやう
やく多く抜去へし稀(マレ)に有ほとにして後
よき比になる如此なれは根大なりかやうに
ふるたねを四月にはやくまけは日にいたま
すして生しやすく五月雨の内に長して
六七月の暑にもいたます但暑月には時々
水をそゝくへししけくまけは根小なり或日