翻刻
中(なか)へ上々の名酒(めいしゆ)を。少し入れる事。口授(くじゆ)なり。さて
染(そま)りたる上(うへ)にて。四五 度(ど)も。水をかけ。雫(しづく)をたらす也
これは。にんじんのなき時(とき)の料理(りやうり)なり
㊃ 細(ほそ)切 紅(べに)大根之 仕方(しかた)
一これも。右 同事(どうじ)なり。綿胭脂(しやうゑんじ)の汁(しる)につけ候て
名酒(めいしゆ)を少し入 ̄レ候へば。早(はや)くそまるなり。これも雫(しづく)
をたらし申候。又 黒(くろ)のそめ汁は。奥(おく)の巻(くはん)に記(しる)す
㊄ 紅梅(かうはい)大根切方
一 此(この)切方は【図略】此 通(とを)りにして。大根を三寸 位(ぐらい)に切
右ひだを切入 ̄レ。小口は梅(むめ)の花(はな)の通りなり。扨また
【図略】此すゑの所を。はす剥(むき)にいたし候へは【図略】此通り
なり申候を。しやうゑんじか。紅か。にてそめ申也。但(たゞ)し
匂(にほ)ひは。白髪(しらが)大根を。五六 筋(すじ)入 ̄レ申候而ゆばの
こま〴〵を。しべのにほひに付(つけ)候へは。誠(まこと)の紅梅(かうばい)の
花(はな)のごとし。遣(つか)ひかたは。さしみ。鱠(なます)。其外何にても
㊅山ぶき花大こん仕方
一此切かたは。右梅の通りなれども。ひだを六ッに切
とるなり。これは。くちなしの汁(しる)につける也。但し