翻刻
【右丁】
右よせもの/作(つく)りもの大ていかくのごとし此本又さく/意(い)
していろ〳〵のものをよせて作るとも仕やうみな同
/准(じゆん)じて/工夫(くふう)すべし
○玉子しんじよは玉子かちわり/黄(き)にする/時(とき)は/黄身(きみ)ばかり
白にする時は白身ばかりに/吉野(よしの)の上々くずを水にてときて
玉子の中へ四分ほど入《割書:但し玉子の大小と時■■に|よれは分りやう定がたし》よくかきまぜて
はちの中へ入/鉢(はち)ともにこしきに入て/茶(ちや)わんむしのやうにむし
いろのさゆるをほどにして出してさまし/置(をけ)ばとうふのごとく
になるなり扨すましの下地よくこし■そへ/客(きやく)へ出スまへに
かなじやくしにてすくひ入る也しよじすくひどうふあんばい
に加へる事なし
○わたかまぼこは/魚(いを)のすり/身(み)に/蚫(あはび)の/青(あを)わたと/青(あを)こすこし
まぜて/常(つね)のかまぼこの通り/板(いた)につけてむすなり
○うちくらげはしほくらげのしほを出しあらめをきざむやうに
【左丁】
ほそくうちてうま煮にするなり但しへにくらげをまぜてうつ
なをよし
○/鱚(きす)魚せんべいきすを身をおろし皮を引ほねをよくすき
とりてやきしほすこしふりて/板(いた)にみのがみを/敷(しき)これにならへて
又/上(うへ)にもみのがみをきせ又板をのせ/上(うへ)につよくおしを/置(をき)/半日(はんにち)ほど
にしておしをのけかみをとりて水けをよくふき又やきしほを
ふりて/日(ひ)にほし/付(つけ)よくかわきてうすき/干物(ひもの)になりたるを
/助灰(ぢよたん)にかけしぜんとかはかせばほり〳〵として/塩(しほ)せんべいのごとし
○てんぷら/鯛(たひ)/平目(ひらめ)の/身(み)をかまぼこだねにして山のいもとうどん
の粉しほとを入よくすりまぜぎんなんきくらげのるいこまかに打て
まぜよくこねませ丸ゆばの大きさにしてごまのあふらあるひは
かやくるみの/油(あぶら)のるいにてあげて小口切にする也但しこ■に
しやうゆの/味(あぢ)/付(つく)るもよし
○/霜(しも)の/菊(きく)はまことのき菊にくずの粉のころもかけて/油(あぶら)にて
上るなり但しころもは白ざとうとしほくわへ花の上へころも付やうにする