翻刻!江戸の医療と養生

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救急撮要 - 翻刻

救急撮要 - ページ 11

ページ: 11

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瘭疽(へうそ) 七丁【白抜き文字】 痔疾(ぢしつ) 十四丁【白抜き文字】 雁瘡(がんがさ) 廿一丁【白抜き文字】 便毒(べんどく) 廿一丁【白抜き文字】 下疳瘡(げかんさう) 四十八丁【白抜き文字】 重舌(こじた) 四十九丁【白抜き文字】 舌に瘡(できもの)を生じたる 六十一丁【白抜き文字】 癜風(なまづ) 六十三丁【白抜き文字】 肥前瘡(ひぜんさう) 六十五丁【白抜き文字】  これその大 概(がい)なり。この撰述(せんじゆつ)は。  素(もと)より急卒(にはか)の用に供(そな)んがため  にはあれど。もし危急(ききふ)の時に臨(のぞみ)て。  卒(にはか)にこれを捜索(さぐりもとめ)んとせば。おそ  らくは諺(ことはざ)にいはゆる。賊(ぞく)をとらへて  索(なは)を綯(なふ)の失(あやまち)なきことあたはず。  ゆゑに平居無事(へいぜいぶじ)の時(とき)に終篇(のこらず)を  よくよみて。あらかじめこれを  記得(こゝろえ)て。もつて病苦(やまひ)をすくふ  ものゝ多からんことを庶幾(ねがふ)なり   安政四丁巳歳夏閏五月         蘿藦舡人識 救急撮要方 い【白抜き文字】憤怒(いかる)【左ルビ:はらだつ】こと甚(はなはだ)しくて。卒(にはか)に失気(ひきつけ)死(しに)たる がごとくになることあり。これ血気(けつき)上迫(のぼり)て然(しかる)こと なり。後(のち)のら【らの右に長四角】の部(ぶ)に雷震死(らいしんし)とある。かみ なりにうたれて死(しに)たるを。救(すくふ)ところの條(くだり)に 出したる。肩(かた)を捏(ひね)る活(くわつ)の術(じゆつ)にて。多(おほ)くは甦(よみがへ) るなり。息出(いきいで)て後(のち)に肩(かた)なほ強(こはり)て。上衝(のぼせ) つよくば。肩(かた)を刺(さし)角子(すいふくべ)【吸瓢】を施(かけ)て血(ち)を多(おほ)く とりたるがよし。或(あるひ)はの【のの右に長四角】の部(ぶ)上衝(のぼせ)の條(くだり)に 出したる。消石大円(せうせきだいゑん)などを用て。軽(かろ)く下 したるも又よし▲犬に咬(かま)れて病(やまひ)となる。 その因(もと)をこゝろうれば。これを治(ぢ)するとも知ら るゝなれば。まづそのことをいふべし。すべて人と 異類(とりけたもの)とは天稟(うまれつき)同じからずして。大に かわりたる所あり。然(しかる)に犬の咬(かみ)たる創口(きずぐち) に歯(は)の涎唾(よだれ)がのこり。これが人の血液(ちしる)に 混(こん)じはびこりて。つひには精神(こゝろ)までもみ だれ。犬のまねして吼(ほえ)などするやうになり て死(し)ぬるなり。ゆゑに此よだれをよくとり

現代語訳

瘭疽(ひょうそ) 七丁 痔疾 十四丁 雁瘡(がんがさ) 二十一丁 便毒 二十一丁 下疳瘡 四十八丁 重舌(舌の腫れ) 四十九丁 舌にできものを生じた 六十一丁 癜風(白癬) 六十三丁 疥癬 六十五丁  これがその大概である。この撰述は、  もとより急な場合の用に供するため  ではあるが、もし危急の時に臨んで、  急にこれを探し求めようとすれば、おそ  らくは諺にいわゆる「泥棒を捕らえて  縄を綯う」の過ちを免れないだろう。  ゆえに平穏無事の時に全編を  よく読んで、あらかじめこれを  心得て、もって病苦を救う  者が多からんことを願うものである   安政四丁巳歳夏閏五月         蘿藦舡人記 救急撮要方 憤怒すること甚だしくて、急に失気して死んだ ようになることがある。これは血気が上逆してそうなること である。後の「ら」の部に雷震死とある、雷 に打たれて死んだものを救う条に 出した、肩を捏る蘇生の術によって、多くは蘇 るものである。息が出て後に肩がなお強張って、上衝 が強ければ、肩を刺して角子(吸い瓢箪)をかけて血を多く 取ったのが良い。或いは「の」の部の上衝の条に 出した、消石大円などを用いて軽く下 したのもまた良い。▲犬に噛まれて病となる、 その原因を理解すれば、これを治療することも知ら れるので、まずそのことを言うべきである。すべて人と 異類(動物)とは天稟が同じでなくて、大いに 違ったところがある。しかるに犬の噛んだ創口 に歯の涎唾が残り、これが人の血液に 混じって蔓延り、ついには精神まで乱 れ、犬の真似をして吠えなどするようになり て死ぬるのである。ゆえにこの涎をよく取り

英語訳

Whitlow (paronychia) Page 7 Hemorrhoids Page 14 Psoriasis Page 21 Syphilitic bubo Page 21 Chancre Page 48 Tongue swelling Page 49 Tongue lesions Page 61 Tinea versicolor Page 63 Scabies Page 65  This is the general overview. This compilation was  originally intended for emergency use,  but if one tries to hastily search through it  during a critical moment, one will likely  fall into the error described by the proverb  "catching a thief and then braiding the rope."  Therefore, I hope that many people will  read through the entire work carefully during  peaceful times, learn it in advance,  and use it to relieve suffering.   4th year of Ansei, summer, intercalary 5th month         Written by Ramafunabito Emergency Medical Compendium When someone becomes extremely angry, they may suddenly lose consciousness and appear to die. This happens because blood and qi rush upward. In the "ra" section under "death by lightning strike," there is a resuscitation technique involving massaging the shoulders that can revive most people. After breathing resumes, if the shoulders remain stiff and upward rushing is strong, it is good to puncture the shoulders and apply cupping horns to draw out much blood. Alternatively, it is also good to use medications like Xiaoshi Dayuan mentioned in the "no" section under "upward rushing" to provide gentle purgation. ▲Regarding illness from dog bites: if one understands the cause, treatment becomes clear, so I will first explain this. Generally, humans and animals have different natural constitutions and differ greatly. When a dog bites, saliva from its teeth remains in the wound and mixes with human blood, spreading throughout the body until even the mind becomes disturbed, causing the person to imitate dogs by howling and eventually die. Therefore, this saliva must be thoroughly removed.